【夏缶3】関東鉄道常総線 騰波ノ江駅 2007/09/08 13:25:04


筑波山から西に数kmはなれた小貝川流域、いまは広い水田になっているこの場所に昔、「騰波ノ江(とばのえ)」という湖があったそうです。八世紀前半に書かれた「常陸国風土記」にその記事があります。

 

「郡西十里、在騰波江。長二千九百歩、広一千五百歩。東筑波郡、南毛野河、西北並新治郡、艮白壁郡。」

頭注に「(騰波ノ江は)下妻市東部の小貝川流域の水田地帯。」

(風土記 植垣節也 校注・訳 小学館)

 

それはどんな湖だったのでしょうか? 騰波ノ江小学校のHP「騰波ノ江の盛衰と大宝沼干拓」【リンク集参照】に、下妻北東部〜関城町〜明野 に広がる水田地帯が騰波ノ江跡であること、風土記の記事(上記)の口語訳、万葉集にも「鳥羽の淡海」として詠まれ、「万葉の時代、多くの人々がこの湖の美しさに心を奪われたたことがうかがえ」ること、などが紹介されていました。ほかに大宝沼というのも書かれてて、それは騰波ノ江の一部だそうです。

大宝沼なら「図説 茨城の城郭」(茨城城郭研究会 国書刊行会)の関城や大宝城の項にも登場してました。また明治・大正に干拓されたらしいので、明治時代の地形図にも載ってるかな。昔の湖の跡を古い書物や古い地図を持って歩くのも楽しいでしょうね。

さて今日訪れたのは、関東鉄道常総線の騰波ノ江駅。ここは田んぼの中ではなく、その西の丘の上にあります。丘の西はまた細長い水田地帯になっています。なのでこれは私の想像ですが、湖があった頃、騰波ノ江駅のある丘は、湖に突き出した長い半島だったかもしれないですね。駅の表側は人家、反対側は果樹園(梨らしいです)。気動車は昔みたいに1時間に1本ということはなくて、録音してる50分の間に上下あわせて3本の列車が来ました。駅舎も古くて立派な木造で人気があるようです。無人駅で、この時間、乗降客はほとんどいませんでした。入場にあたっては下妻駅に電話で入場を申し入れ、あとで入場料を支払いに行くこと、線路には絶対立ち入らないこと(踏切は渡りましたけど)を約束して許可を得ました。駅の中には写真の通り、プラットホーム以外になにもありません。空が広いです。今は立派になってしまった守谷駅(つくばエクスプレスが通ってます)も以前はこんなだったことを思い出しました。

録音機 : KORG MR-1

マイク : SONY ECM-979

カメラ : Canon PowerShot G2